レーシックの裏ワザ

人間が死ぬときはどうでしょうか。
臨終を見守っていると、だんだん呼吸が弱くなり、その間隔が空いていき、最後に息を少し大きく吸います。 そのあと、息を吐いてガクッとこと切れます。
息を引き取るという言葉どおりです。 まさに人間というのは、息とともに生まれ、息とともに死んでいくのです。
「私たちの肉体は道具にすぎません。 本当の私とは、呼吸なのです。
吸う息は神を意味し、吐く息は自分自身を意味します。 あなたがた一人ひとりが神なのです。
日々の呼吸こそ、自分が何者であるかという答えです」インドの聖者であるSさんはこういいました。 呼吸の重要性を簡潔に表現した何ともすごい言葉です。

呼吸は、単に酸素を吸って、二酸化炭素を出すものではありません。 呼吸によって、酸素とともに気までも取り入れているのです。
気というのは、私たちの周囲の環境、自然、宇宙の中にあると考えられます。 体内に取り入れられて古くなった気は、二酸化炭素とともに体外に排出されます。
気が酸素や二酸化炭素と違うのは、呼吸の仕方に大きく影響されることです。 精神が不安定になったりすると、呼吸は速くて浅くなります。
これでは、気を取り入れることも出すこともできないのです。 普通に呼吸をしていれば、意識しなくとも気は取り入れられ、出ていきます。
それでもよいのですが、ゆっくりと深く長い呼吸をすると気のめぐりはもっとよくなります。 意識して深い呼吸をすれば、気を大量に取り入れられるのです。
ストレスが多いと、速くて浅く短い呼吸になりがちです。 それが体に悪いことは自明です。
呼吸を意識して行い、深くゆったりした呼吸をして、気のめぐりをよくすることを心がけるようにしましょう。 ふだん私たちは、呼吸は無意識に行っています。
それに対して、呼吸法は意識して行うものです。 呼吸法は、気のめぐりをよくするのに効果的な方法です。
呼吸法を実行し、深く長い呼吸をするように努めてみましょう。 ゆったりした呼吸で、体内の循環がよくなることは十分に考えられることです。

自律神経は呼吸と深い関係があります。 自律神経のうち、交感神経は体の動きを高める興奮の作用を持ち、副交感神経は逆に沈静の作用を持ちます。
息を吸うときは交感神経が働き、息を吐くときは副交感神経が働くようになっているのです。 ですから緊張したり興奮するときは息を吸い、リラックスしているときは息を吐いて呼吸しています。
息を呑むというのは、息を吸って攻撃モードに入っている緊張した状態を表現しています。 逆に、スーという寝息は、息を吐いているときの安らかな音です。
ストレスにあふれた現代社会では、リラックスするときよりも緊張を強いられるときのほうが多く、息を吸うことに主体が置かれがちとなります。 そのため、精神が不安定な人が増えやすいのです。
長年にわたって不眠に悩む患者さんが、息を吐くことを意識して呼吸を続けているうちにぐっすり眠れるようになったという例もあります。 精神を安定に保つためにも、意識して吐く息を重視して、リラックスした状態をつくり出すことが大切です。
もともと、吐く息を中心に考えられているのが東洋の呼吸法なのです。 私たちは呼吸を無意識にしており、酸素を吸って二酸化炭素を出しています。
呼吸に対して呼吸法は、意識的にやるものです。 呼吸は付随運動であり、呼吸法は随意運動です。

呼吸法でも、西洋の呼吸法と東洋の呼吸法とは違います。 西洋の呼吸法はまず吸うことから始めるのに対し、東洋の呼吸法は吐くことから始まります。
東洋の呼吸法は、吐く息を重視し、吸う息はあまり重視しません。 なぜでしょうか。
それは、自然界の法則は循環であり、循環させるにはまず先に出さなくてはいけないからです。 どんどん捨てていって、あとは自然に入ってくるのに任せるわけです。
前述したように、現象としては、吸う息によって体は興奮状態の方向に進み、吐く息によって鎮静の方向に進みます。 吐く息に意識を集中させると副交感神経が優位になってきます。
そうすると血中のリンパ球が増えるのです。 リンパ球は免疫の主役ですから、リンパ球が増えれば免疫機能が高まり、さまざまな病気の予防につながります。
また呼吸では、腹式呼吸で腹筋をリズミカルに動かすと、腹部の内臓のマッサージになります。 マッサージ効果により腸や肝臓の血流がよくなって健康によいのです。
さらに重要なことは、息を吐くことは体の中で生命の無秩序の度合いになっている体内廃棄物のエントロピーを捨てることを意味します。 エントロピーが増大すると生命の秩序が乱れ、健康が害されるようになります。

そうならないためには、エントロピーが増えないようにしなければなりません。 息を吐く、汗を出す、大便や小便を出す、涙を流すのは、みなエントロピーを排せつする役割を果たしているのです。
呼吸法以外は、限りなく出すというわけにはいきませんが、吐く息は限りなく出せます。 息を吸うとよけいなエントロピーが入ってきますので、吸った息以上のものを出すようにしなければなりません。
呼吸法を分類するとつぎのようになります。 自然呼吸函ごく自然な呼吸だが、明確な意識を持つ胸式呼吸率胸部の起伏が目立つもの腹式呼吸卵腹部の起伏が目立つもの混合呼吸函胸腹部が起伏するもの腹式呼吸皿腹筋と横隔膜を動かし、腹腔の容積の変動を大きくする順式呼吸”吸気のときに腹部が盛り上がり、呼気のときにへこむ逆式呼吸吸気のときに腹部がへこみ、呼気のときに腹部が盛り上がる潜呼吸函下腹部の起伏がかすかなものへソ呼吸唾腹部はほとんど動かず、へソだけで呼吸しているようにみえる丹田呼吸率外見上は腹式呼吸だが、丹田をはっきり意識して行う堤虹呼吸函吸気の際に意識的に会陰部を引き上げ、呼気のときにゆるめる調和道呼吸法は、逆式の腹式呼吸をします。
息を吸うときに腹部をへこませ、息を吐くときに盛り上がらせるようにするのです。 下腹部の空間の「丹田」をしっかり意識し呼吸法には、たくさんの方法があります。
ここでは、私の病院で患者さんも行っている「調和道呼吸法」(丹田呼吸法)を紹介しましょう。 呼吸法を行うには、正座でもあぐらでも、イスに浅く腰かけてもよく、自分のやりやすい姿勢で行ってください。
鼻で呼吸します。 ただし、息を吐くときは口からでもかまいません。
この呼吸法は、緩息、基本動作、小波浪息、屈伸息、大振息、完全息という段階的なやり方からなっています。 代表的な緩息、基本動作、小波浪息について紹介します。

三つを連続して行うには、つぎの順序でゆっくりリズミカルに行います。 全体をひと通り行うと、大体十分くらいです。
緩息は、つぎのように行います。 緩息を一回基本動作を十ニ回緩息を一回小波浪息を十二回緩息を一回力を抜き、伸び上がった上半身を骨盤に向かって沈み込ませるような気持ちで、みぞおちをゆるめ、鼻から三〜四秒ゆっくり息を吐き出すニ回繰り返したあとで、三回目は息を吐くときに上半身を少し前に倒す。
六〜七秒かけて残らず息を吐き切る少し伸び上がり、三〜四秒鼻で息を吸う。 このとき、胸は広がり、腹部はややへこみ息を吐き切ったら上体を起こす。

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